債務について利息制限法に基づいて過払い金を計算しなおし、現状の債務と相殺することを話し合うのが特定調停という制度です。けれども過払いの部分が債務を上回るときは、この調停の場合は返還は望めず、単純に借金がなくなるだけです。過払い金額の方が多そうだと判明しているのであれば特定調停は避け、過払い金請求を行うほうが実益があると言えます。自己破産、個人再生、任意整理といった債務整理は、本人が処理できないこともないのですが、どの弁護士に聞いても無理だと答えるはずです。仮に任意整理を自分でしようと思っても、延滞を繰り返した債務者の言い分を債権者が快く聞いてくれるとは思えません。それに、裁判所を介する個人再生でも、裁判所が認めてくれるよう、申立書も再生計画なども自分で工夫して書かなければならないのです。手続きの点では個人再生より自己破産のほうがもっと大変でしょう。結局、債務整理をしたいと思ったら実務経験の多い弁護士などに任せるべきでしょう。たしかに初めてなら無料で相談に乗ってもらえますが、司法書士や弁護士を頼んで債務整理を始めるためには、最初に着手金というのを支払う必要があります。着手金というのは一律いくらと決まったわけではないので、事務所によって違います。それと、裁判所の管轄である自己破産と個人再生では、処理が終わったあとの成功報酬も最初から決まっているところが多いですし、任意整理の成功報酬は、結果次第で差があります。延滞を繰り返すと債権者から督促を受けるようになりますが、そこで自己破産、個人再生、任意整理などの債務整理を行った場合、債権者に対して弁護士や司法書士から債務整理の介入通知書が送られた時点で、そういった行為は一切できなくなります。それ以降に連絡や催促などがあれば、担当する弁護士に即、何があったか話してください。禁止されているのにわざわざ相手をする理由はないわけですし、何かしようと思ってはいけません。本来、債務は自分で返済すべきですが、どうやっても返済に行き詰ってしまった際は債務整理を考えてみるべきです。債務整理をするかしないか考える頃合いといえば、転職などで収入が減り、月々の返済が手取りの30%以上に及ぶ場合がひとつの区切りかもしれません。債務整理、とりわけ任意整理の場合はこの時期に行われるのが多いのですが、失業期間が影響しているケースもあります。どの仕事でもそうですが、弁護士や司法書士と名のつく人たちでも、何にでも精通しているわけではなく、得意分野は経験によってさまざまです。同じ債務整理でも企業専門だとか、あるいはまったく債務整理など扱わない敏腕弁護士(刑事事件専門)などもいるので、安易に依頼せず、経験豊富な司法書士や弁護士を探して依頼しなければ良い結果は出ません。以前に比べると債務整理専門に力を注いでいる司法書士や弁護士事務所なども増えていますから、そのようなプロに任せる方が安心でしょう。自己破産の手続きに入る場合は、資産目録として一切の銀行預金、郵便貯金等は申告する必要があります。合計額が20万円を超えた分は原則として借金の返済にあてられますが、基本的に資産一切を手放すというのが自己破産の特徴です。家族名義にしようとか、解約すればわからないだろうなどとは断じて考えないようにしましょう。仮にどこかで発覚したとして、自己破産は成立しても免責にならないこともあるのですから、真面目に申告しましょう。司法書士や弁護士といった人に債務整理を相談しても引き受けてもらえないといった例がないわけではありません。これまで債務整理を手がけたことがない司法書士や弁護士なら断る可能性はありますし、もし自己破産で借金ができた経緯が免責不許可に相当すると思われる場合は、受け付けて貰えないでしょう。経験や専門を理由に断られた際は、逆に経験を積んだ司法書士や弁護士を見つければ、すんなり引き受けてもらえるでしょう。昔は電話帳や看板を頼りに探したそうですが、今はウェブでも手軽に探せますし、費用などの目安もわかります。司法書士であれば誰でも同じと思ってはいないでしょうか。認定司法書士でなければ自己破産や任意整理などの債務整理は扱えないことになっています。また、司法書士が扱う任意整理は借入先1件ごとの債務額が最大140万円まで(利息込)と制限されています。それ以外にも、自己破産や個人再生では代理人は弁護士と決められているため、代理人に司法書士を充てることは認められておらず、自分で裁判所に行って手続きすることになります。債務整理の中でも自己破産や個人再生はすべての債権者が債務整理の対象になるのですが、借入先ごとに1件ずつ手続きするのが任意整理です。債権者一箇所ごとに費用がかかるので、全部の債権者を対象とするのではなく、たいていは減額幅の大きい相手を選んで行います。さほど債務が残っていないところまで債務整理の対象とすると、弁護士や認定司法書士に払う依頼料が嵩み、減額と釣り合わなくなってしまいます。